起業時のオフィスは地道な物件探し

会社を創業した当初、物件探しは非常に難航するものです。ネットで物件を検索することは一般的な方法ですが、いわゆる売れ残りの物件や釣り物件なども多く、これといった物件にはなかなかたどり着くことはできません。

小規模オフィスを探す場合、むしろ地域に密着した地場の不動産屋さんのほうが良物件を抱えていることが多く、知名度のある大手不動産会社よりも、こうした業者にコンタクトを取ったほうがメリットがあることも多いのです。

また、不動産業者に完全に任せてしまうのではなく、オフィスを出したい地域を歩くことも大切です。近隣を歩いていると思わぬ気づきを得られたリ、その地域の特性、相場感を知ることにもつながります。価格だけでオフィスを決めるのではなく、地域の雰囲気をしっかりとつかんでいくことが、小規模オフィスの決め手となります。

商売の特徴と信用性

オフィスを出す以上は、取引先やお客様に対していかに「信用があるか」を感じてもらえるかが大切です。特に創業時は、会社の実力以上の規模感や信用性を創り出せるか否かで、その後のビジネスの成否に大きく影響することは間違いないでしょう。

しかし、そのような物件は当然一等地で立地の良い場所であることが多く、予算とのバランスを考慮しながら、信用性の取れる物件探しをしなくてはなりません。

創業時のオフィス探しで着目したいのが、まずは自分の商売をよく知るということです。信用性を考えることももちろん大切ですが、どの立地にあれば自分の商売がスムーズに回るのかを考えなくてはなりません。特定の業種が集まる地域であれば、受注から発注、納品、配送といった一連の流れをつくることも容易になり、ビジネスのスタートが切りやすいのです。

そして、交通の利便性も重要な問題です。自動車でしか行けない場所よりも、〇〇駅より徒歩〇分と表記できたほうが、来客も幾分多く見込めます。しかし、駅前のオフィスほ一般的には割高であるため、公共交通機関でたどり着くのがあまりにも難しい以外は、ある程度妥協することも必要でしょう。築年数がたっている物件は家賃が安いことも多く、なるべく多くの物件にあたれば掘り出し物に巡り合うことも珍しくありません。

チェックすべきポイント

事務所物件では、チェックすべきポイントがいくつかあります。トイレなどの共用部分、電源プラグの配置、エアコン設備、エレベーターの有無、OA機器を設置するスペース確保、来客時のソファのスペース、給湯室、セキュリティ設備、清掃など。IT系の会社であれば、OAフロアかどうかも大きなポイントです。

また、一日の大半が社内での仕事になるような業種であれば、外的環境も大切なポイントでしょう。外観や内装はよかったものの、いざ入居してみると、近隣が非常にうるさかったりした場合、集中して作業に取り組めません。物件の内覧をしたとしても即決はせず、事務所内で何人の社員が仕事をして、どういう職場環境をつくる必要があるのかを入念に考えておきましょう。